医 療 法 人 と は
医療法では、医療機関が医業の非営利性を損なうことなく法人格を取得することによ
り、医業の永続性を確保するとともに、資金の集積を容易にし、医療の普及向上を図る
ことを目的として医療法人制度を設けています。
医療法人は、病院又は医師若しくは歯科医師が常時勤務する診療所を開設することを
目的として、医療法の規定により設立された法人をいい、社団たる医療法人と財団たる
医療法人に分けることができます。
社団たる医療法人は、医療施設を開設することを主たる目的とした人の集合体に法人
格が付与されたものです。法人の資産は、社員の出資からなり、出資持分の定めのある
ものと、出資持分のないものがありますが、平成19年4月以降は、出資持分のない法人のみ設立できます(基金拠出型の社団法人を含む)。
財団たる医療法人は、医療施設を開設することを主たる目的として寄附された財産に
法人格が付与されたものであり、従って出資持分というものはありません。
医療法人は、公益法人でも営利法人でもなく、いわば両者の中間的性格を持つ、医療
法による特殊法人であるといえます。
また、昭和60年12月の医療法改正により、医師又は歯科医師が一人又は二人常時勤務す る診療所を開設する小規模な診療所にも法人化の道が開かれました。これが、いわゆる 「一人医師医療法人制度」です。
業 務 範 囲
(1) 医療法人は、本来の主たる事業である病院・診療所の開設のほか、医療法第42 条
に基づき、業務に支障のない限り、定款の定めるところにより次に掲げる業務を行う
ことができます。
@ 医療関係者の養成又は再教育
A 医学又は歯学に関する研究所の設置
B 医療法第39 条第1項に規定する診療所以外の診療所の設置
C 疾病予防のために有酸素運動(継続的に酸素を摂取して全身持久力に関する生理
機能の維持又は回復のために行う身体の運動をいう。次号において同じ。)を行わせ
る施設であって、診療所が附置され、かつ、その職員、設備及び運営方法が厚生労
働大臣の定める基準に適合するものの設置
D 疾病予防のために温泉を利用させる施設であって、有酸素運動を行う場所を有し、
かつ、その職員、設備及び運営方法が厚生労働大臣の定める基準に適合するものの
設置
E 前各号に掲げるもののほか、保健衛生に関する業務
F 社会福祉法(昭和26 年法律第45 号)第2条第2項及び第3項に掲げる事業のう
ち厚生労働大臣が定めるものの実施
G 老人福祉法(昭和38 年法律第133 号)第29 条第1項に規定する有料老人ホーム
の設置
(2) 「保健衛生に関する業務」の範囲は比較的狭く解釈されており、医療事業に直接関
係する保健衛生事業に限られるとされています。
例えば、法人の所有建物を第3者に賃貸することは認められません。